同じ人に2度恋したこと(1度目の恋)

私は宝塚歌劇団のファンである。

2014年4月に宝塚歌劇100周年記念式典の様子をテレビで観てからスルスルッと好きになり、現在まで至る。

元々、男装している女性やかっこいい女性が好きということもあり素養はあった。

 

それからの経過はいろいろとあるのだが、ここで書きたいのは現在のご贔屓についてである。

贔屓を好きになるまで違う人のファンをしていたし、贔屓のことは期と名前、なんとなくこういう顔をしている人、成績が良いわりに干されている人というかなりぼんやりした印象だった。

正直好みのタイプでなく、宙組の子だからなんとなく覚えていたのだった。

私は宝塚ファンになってから今まで、組で言うと宙組ファンである。

 

2017年3月まで地方の実家にいたためなかなか観劇ができず、4月に関東の方に進学してから東京宝塚劇場で公演していた「王妃の館/VIVA FESTA」を観に行った。

この時、贔屓は良い場面をもらっていたのに私は露ほども贔屓のことを観ていなかった。

今ではとても後悔している。

全身黒の彩花まりさんにときめいたり、ソーラン節のうららちゃんにキャーキャー言ったりしていたのだ。

 

当然のごとく別箱での公演も観に行った。

運命の「A Motion」である。

東京で生で観劇することは決めていたのだが、大阪公演がライブビューイングされ、都合がついたのでこちらも観た。

中継が始まった当初はうららちゃん綺麗♡せーこさん可愛い♡愛ちゃんかっこいい♡などとミーハー根性丸出しであった。

しかし決定的な瞬間が訪れる。

「ファントム」より「パリのメロディー」の場面で、私は雷に打たれたような感覚を味わうことになる。

センターで歌う娘役の笑顔に心を奪われてしまったのである。

彼女の顔は微妙に知っているけれども名前は分からず、だが彼女の笑顔がとてつもなく可愛いことだけは当時の私はひしひしと感じていた。

この世にこんな人がいたとは。

私はタカラジェンヌも人間だと思っていたので、同じ人間だとは思えないと感じたのはこの時が初めてだったような気がする。

歌が上手いんだなーとかスタイルも良いんだなとか思ったけれど、とにかくこの人の笑顔が頭に焼き付いて離れなかった。

明らかに恋に落ちていた。

終演後すぐ名前を調べ、華妃まいあさんという方だと知った。

ここでようやく、恋に落ちた彼女とぼんやり知っている宙組の下級生が脳内でつながった。

 

続きます。